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くるみ割り(くるみわり)は、胡桃の固い殻を割るための道具である。やっとこに似た形をしたものがもっとも一般的で、この場合やっとことは異なりジョイント部分は最末端部にあり、それより手前の窪みの部分に胡桃を挟み込んで、てこの原理を利用して割る。ほかに万力のようにねじを回していって圧力を加えて割るタイプのものや、通常のやっとこ型の先端に刃がついた和くるみ用のものなどさまざまな形状がある。 また装飾品の一種として、後述する木製の人形型のくるみ割り器(くるみ割り人形)があり、ドイツの伝統的な工芸品として親しまれている。 == 歴史 == 文明が発達する以前には、人はくるみの固い殻を歯で噛み砕くか、それができないほど殻が固ければ石を使って割っていた。アメリカやヨーロッパ各地にはこの目的に使われた石器がいくつも発掘されており、これらの年代は今より4000年前から8000年前までさかのぼれる。胡桃を採集する農耕民は、胡桃が木から落ちる時期になると近くに野営し、採集した実はそのまま食べたり、栽培のために土に蒔いたり、砕いてバターを作ったりしていたものと見られる〔''Nutcrackers History'' Leavenworth Nutcracker Museum(2013年10月閲覧)各段落の出典〕。 現在知られているもっとも古い金属製のくるみ割りは紀元前3-4世紀の年代で、イタリアのタレントの博物館に収蔵されているものである。鉄製の取っ手を持つものでは、フランスのルーアンにある博物館に13世紀に制作されたものが収蔵されており、真鍮製のものでは14世紀ないし15世紀にはすでに作られていたことが知られている。初期のものは金属を打って形を整えて作られていたが、後には鋳型で流し込んで作られるようになった。イングランドは真鍮製のさまざまなタイプのくるみ割りを生産し、アメリカでは鋳型を使った鉄製のものが多く作られた〔。 木製のくるみ割りは、初期のものは二つの木片を革材で繋いだシンプルな形状のものであった。15世紀から16世紀にかけては、フランスとイングランドで美しい彫刻を施したくるみ割りが制作された。素材はそれぞれの地域の木材が使われていたが、特に木目が細かく均一なツゲ材がもっとも好んで使用された。18世紀から19世紀にかけてはオーストリア、スイス、イタリアで同様に彫刻を施したくるみ割りが多く作られた。万力型のものが現われるのは17世紀からである〔。 1800年までには、ドイツのゾンネンベルクおよびエルツ山地で直立した人形型のくるみ割り人形が見られるようになった。1830年のグリム兄弟によるドイツ語辞書では、「くるみ割り」(Nussknacker)を「しばしば醜い小男の形で、その口にくるみを入れ、梃子かねじの仕掛けによって割る」と定義されている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「くるみ割り」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nutcracker 」があります。 スポンサード リンク
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